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【完全解説】猫に関する特許発明には何がある #1 概要+トイレ編

猫やペットに関する特許発明(概要+トイレ)について解説します。

ミケ

僕に一番関係のある分野だにゃ

弁理士

新たな発明のヒントにしましょう!

前回までは特許が儲かることや、どのような発明が特許になるのか? 偉大な発明カップラーメンについて説明していきました。今回からはミケが新たな発明をするために、さまざまな分野での先例を見ていきます。

まずはミケに最も関連が深い猫・ペット用品からです!

目次

猫・ペットに関連する発明についての概論

猫・ペットに関連する特許発明にはどのようなものがあるのか

下記は猫・ペットに関連する、2025年10月現在に有効となっている特許の集計表です。

区分特許数
トイレ・猫砂284
ペットフード204
給餌装置・ケア用品199
医療・医薬123
住宅設備・小屋・サークル117
システム59
その他135

上記はざっくりとした分類です。後ほどさらに細かく掘り下げていきますのでご安心ください。

ミケ

トイレ関係が一番多いんだにゃ

弁理士

ペットを飼うときに一番問題になるところですからね

猫・ペットに関連する特許権利者

以下は猫・ペットに関する特許権利者のTOP10です。2025年10月現在有効なもののみ集計しています

No.権利者特許数
1ユニチャーム株式会社155
2エステー株式会社46
3株式会社ペティオ39
4ヒルズペットニュートリシャン35
5マース33
6ドギーマンハヤシ株式会社21
7花王株式会社19
8株式会社凡美社18
9ジェックス株式会社16
10株式会社リッチェル16
ミケ

ユニ・チャームが圧倒的1位だにゃ

弁理士

ヒルズペットニュートリシャンてどんな会社なのでしょう?

 後で調べてみたところ、特許権利者名義はヒルズペットニュートリシャンですが、ネットではヒルズペットニュートリションでヒットするみたいです。アメリカのペットフード会社ですね

 ちなみに日本企業が多いですが、今回は日本国の特許のみを集計しています。特許は基本的にどの国でも国内企業が多いです。

猫・ペットに関連する特許出願トレンド

 以下は猫・ペットに関する特許出願のトレンド表です。

 2014年から2018年までの5年間の特許出願件数と、2019年から2023年までの5年間の特許出願件数の比較です。

区分2014-2018出願2019-2023出願
トイレ・猫砂145204
給餌装置・ケア用品156175
ペットフード145126
医療・医薬95116
住宅設備・小屋・サークル8662
システム2584
その他94101

特許はその出願した事実が公開されるまで、1年6月を要します。そのため、2024年、2025年は2025年10月現在では正確な件数がわかりません。

そのため、2023年までの直近の5年間とその前の5年間を比較しています。

全体的に出願件数は伸びていますね。

ペットフードと住宅設備・小屋・サークルは件数が落ちていますが、これは昔からある分野だからでしょうか?それ以外は伸びていますね。

ミケ

特にシステム関連が大きく伸びているにゃ

弁理士

ペット関連でもITが注目みたいです

次の章からは各分野の詳細を見ていきましょう。

トイレ・猫砂に関する特許発明

トイレ・猫砂に関する特許発明の詳細区分

 当該分野の詳細区分は以下の通りです。

区分特許件数
シート・マット・砂131
トイレ本体127
清掃機構76
自動トイレ7
水洗トイレ1

 また、トレンドは以下の通りです。

区分2014-2018出願2019-2023出願
トイレ本体7385
シート・マット・砂8061
清掃機構4681
水洗トイレ40
ミケ

清掃機構が大きく伸びているにゃ

弁理士

水洗トイレはゼロ件になってしまいました。あまり流行らなかったのですね。そもそも1件しか登録されていませんし

 以下詳細区分についてみていきましょう。

【猫・ペット関連】「シート・マット・砂」の特許について

「シート・マット・砂」の特許のステータス

状態件数
出願中24
不登録200
登録後有効131
登録後失効98
登録率53.38%

 補足しますと、不登録とは、「そもそも特許と認められなかったもの」。登録後失効とは「特許で認められた後に権利がなくなったもの」です。特許は原則として出願後20年でその期限が切れます。また、20年を経る前に特許料の支払いをしない場合は、その年までで消滅します。つまりかつては特許だったものと考えてください。

 登録率は、(登録後有効+登録後失効)/(登録後有効+登録後失効+不登録)です。

弁理士

特許の登録率は大体50%です。上記は平均的な値ですね

トイレ用シート・マットの特許概説

 ペット用トイレシートおよびマットに関する特許技術は、大きな技術トレンドとして、「吸収・保持制御」、「防漏・拡散防止」、「設置・固定性」の3つのグループがあります。

1. 吸収・保持制御 このグループは、「尿をいかに素早く吸い、閉じ込めるか」に関する技術群です。

  • 表面シートの高速透過と逆戻り防止: 表面シートには、尿を瞬時に透過させる素材が採用されますが、特許技術の焦点は、一度通過した尿を表面に戻さない点にあります。例えば、漏斗のような形の微細な孔をたくさん開けた素材を用いることで、上からの液体は通すが下からの戻りは物理的にブロックする「ワンウェイ機能」などが開発されています。
  • 下層の吸収体: 下層の吸収体も重要な要素です。中央部を高密度にして吸収スピードを上げたり、逆に拡散層を設けて薄く広く吸わせて全体で尿を吸収したりと、尿の拡散挙動をコントロールする設計がなされています。

2. 防漏・拡散防止  シートの端から漏れを最小化するための技術グループです。

  • シートの端に壁を作る: 多くの特許で見られるのが、防水シートを折り返したり、立体ギャザー(フラップ)を設けたりする物理的なバリアです。これらは、大量の尿が一度に排泄された際、吸収スピードが追いつかずに表面を走ってしまう「オーバーフロー」を物理的に堰き止めます。
  • 親水材・撥水: 物理的な壁だけでなく、化学的な壁も利用されています。シートの周縁部に強力な撥水材を配置して尿を弾き返したり、逆に強力な親水材を配置して、漏れ出しそうな尿を強制的に吸収体に引き込んだりします。

3. 設置・固定性 「使い勝手」と「安定性」を高めるための技術グループです。

  • ズレ防止: ペットがシートの上で回ったり、砂をかけたりする動作によってシートがめくれると、そこから漏れが発生します。これを防ぐため、裏面に特殊なエンボス加工を施して摩擦係数を高めたり、粘着テープを一体化させたりする技術です。
  • 簡単に捨てられる: 使用後の処理も重要な機能です。汚れた面を触らずに畳めるようなガイドラインや、丸めた後に固定できるテープ配置など、廃棄プロセスまでを視野に入れます。

トイレ砂の特許概説

ペット用トイレ砂(猫砂)の特許技術は、以下の3点がトレンドです

1. 凝固・崩壊の制御 「尿で固まり、水で溶ける」という相反する性質の両立が技術の核心です。粘結剤の配合比を微調整し、使用時はガッチリ固まって掃除を容易にしつつ、水洗トイレの大量の水流では素早く崩壊して配管詰まりを防ぐ、絶妙な溶解バランスが設計されています。

2. 消臭・抗菌 ゼオライトや活性炭による物理的吸着に加え、アンモニアを化学的に中和する技術が主流です。さらに、尿の水分に反応して初めて芳香・殺菌成分のカプセルが弾ける技術など、排泄の瞬間を狙ったスマートな消臭機構も開発されています。

3. 素材の機能化と健康管理 おからや木粉などのエコ素材を活用し、繊維の「絡まり」を利用して強度を出す工夫が進んでいます。また、pH指示薬を配合して尿が染みた際の砂の色変化で病気のサインを知らせるなど、健康管理ツールとしての進化も見逃せません。

ミケ

かなり細かい部分の工夫があるにゃ

弁理士

今からこの分野に参入するのは難しいかもしれません


【猫・ペット関連】「トイレ本体」の特許について

「トイレ本体」の特許のステータス

状態件数
出願中33
不登録319
登録後有効127
登録後失効111
登録率42.73%
ミケ

ううん。普通だにゃ

「トイレ本体」の特許概説

トイレ本体の特許は大きなものとして、4つの技術トレンドがあります。

1. 全自動化 もっとも顕著な進化は、センサーと駆動装置を用いた清掃プロセスの完全自動化です。

  • 回転式選別機構: 排泄を検知するとドラム等が回転し、固形物と猫砂を自動で選別して回収する技術です。
  • 自動密封システム: ロール状のシートを自動供給し、使用後は汚れた部分をビニールチューブ内へ巻き込んで圧着・密封する機構も開発されています。

2. 処理効率化 複雑な電子制御を用いず、消耗品の化学的・物理的性質を利用して管理を容易にするアプローチです。

  • 自己崩壊性ペレット: 水分を吸収すると粉状に崩壊する猫砂と、スノコ状の床を持つトイレ容器を組み合わせたシステムです。
  • 自然落下による分離: 崩れた使用済みの砂のみが下段のトレーへ落下する構造により、尿で固まった砂を取り除く手間を解消します。また、目詰まりを解消するための専用器具も考案されています。

3. 臭気対策と衛生管理 トイレの使用中だけでなく、廃棄時の衛生面や不快感の軽減に特化した技術です。

  • 連動式封止機構: ゴミ収納箱を本体から引き抜く動作と連動して、排泄物が入った袋の口を自動的に閉じる機構が開発されています。
  • 対流による拡散制御: 熱源による空気の対流を利用し、消臭剤や抗菌剤を効率的に拡散させる装置などが提案されています。

4. 住空間との融合と快適性 トイレを単なる用具としてではなく、住居設備の一部として統合する動きです。

  • 換気機能付き収納: 住宅建材メーカーなどにより、換気ファンや脱臭機能を内蔵した収納スペースが発明されています。家具や壁面内にトイレを納めることで、生活空間への臭い漏れを防ぎます。
  • 環境制御機能: ペットの居住エリアやトイレ部分に温度調節機能を設け、健康管理と快適性を高める技術も見られます。
ミケ

トイレの自動化は僕も注目していたにゃ

弁理士

住宅設備との統合は、良い視点ですね。

【猫・ペット関連】「清掃機構」の特許について

「清掃機構」の特許のステータス

状態件数
出願中29
不登録43
登録後有効76
登録後失効28
登録率70.75%
弁理士

特許の登録率は大体70%です。特許になりやすい分野です。

ミケ

出願件数も伸びているから、注目の分野だにゃ

弁理士

この分野はトイレ本体の一部ですので内容は重複する場合があります。

「清掃機構」の特許概説

この分野はトイレ本体の一部ですので内容は重複する場合があります。

また、この分野は多くが自動式・半自動式にかかわるものです

1.容器本体の工夫 容器そのものを動かすことで、自然な重力を利用して掃除を行う方式です。 「拾う」のではなく「分ける」という発想です。砂と固形物の大きさの違いを利用し、重力に従って自動的に選別を行います。

  • ドラム回転式: 洗濯機のようにトイレ本体(ドラム)が回転します。内部には「ふるい」のような網が設置されており、回転に合わせて綺麗な砂だけが網を通り抜け、残った排泄物だけが別のポケット(ゴミ箱)へ滑り落ちる仕組みです。
  • 重力落下式: 複雑なアームや爪を使わないため、機械的な故障が比較的少なく、猫砂全体を撹拌(かくはん)するため清潔さを保ちやすいのが特徴です。

2.櫛(くし)やアームによる物理的な除去システム 人の手でスコップを使う動作を、機械的に再現または効率化した方式です。

  • 自動クシ(レーキ)機構: 平らなトイレ容器の上を、モーターで動く「櫛」のような部品が端から端まで移動します。櫛の隙間から綺麗な砂はこぼれ落ち、固まった排泄物だけが引っかかって前方のダストボックスへ押し込まれます。
  • 旋回アーム式: 回転軸を中心にしてアームが時計の針のように回り、排泄物を集めるタイプも含まれます。

3シートやベルトコンベアによる搬送システム 砂を掃除するのではなく、床面そのものを動かして新しくする方式です。

  • 巻取り機構: ロール状になった長いペットシーツやフィルムを使用します。排泄が終わるとモーターが作動し、汚れた部分をくるくると巻き取りながら、新しい清潔な面を繰り出します。
  • コンベア搬送: ベルトコンベアのように床面が動き、排泄物を端へ運んで処理する機構です。

4廃棄物の圧縮と密閉処理システム 清掃した「後」の処理に特化した、臭いを封じ込めるための技術です。

  • 圧着・密封機構: 回収した排泄物をただ溜めるのではなく、ビニールなどで包み込み、熱や圧力で口を閉じて密封します。
  • 自動梱包: 連続的に袋詰めを行うことで、ゴミ捨ての際にも中の空気が漏れ出さないよう工夫されています。
ミケ

猫のトイレもずいぶん進んでいるにゃ

弁理士

基本的な仕組みは完成していますが、応用発明の余地がありそうです。

【猫・ペット関連】「水洗トイレ」の特許について

当該分野の特許のステータス

状態件数
出願中1
不登録19
登録後有効1
登録後失効2
登録率13.64%
ミケ

件数も少なく、登録率も低いにゃ

弁理士

出願中+有効特許で2件しかありません

*2025年11がつには両方とも特許されていました。

「水洗トイレ」の特許概説

出願中+有効特許で2件しかありませんが面白そうなので取り上げます。

1.コンベア式

搬送システム ハウジング上部に水平な支持板があり、その上をエンドレスのベルト(ふん尿搬送ベルト)が回転移動します。ペットはこのベルトの上で排泄を行います。

洗浄メカニズム ベルトが回転し、端まで運ばれた排泄物はシャワーによって洗い流され、ハウジングの排出口へ送られます。

ベルトの自動ケア  殺菌装置と乾燥装置によるベルト洗浄処理が行われます

2.ボウル式

構造 トイレはボウル状で、前側にペットの入り口、横に給水口、そして奥側の底近くに排水口が配置されています。

仕組み 「水を送るポンプ」と「吸い出すポンプ」の2種類を備えているのが特徴です。それぞれがホースやパイプを通じてボウルにつながっています。

動作 モーションセンサーがペットの退室を検知すると、2つのポンプが自動的かつ同時に作動します。給水と吸引を同時に行うことで、ボウルの底を強力に洗浄する仕組みになっています。

水道に繋がないと、いけないからちょっと大変かも

弁理士

豪邸に住む富裕層向けかもしれません

結構参考にはなったにゃ

弁理士

次回はこの続きです!ペットに関するほかの分野を見ていきます

 次回は「ペットフードなどについて解説します」みたいなテーマです。

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